
Ryan McVay/Getty Images
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ファッション業界は、サステナビリティの実現に向けた取り組みを最も積極的に推進する業界の一つとされる。彼らは自分たちの挑戦の革新性や成果を喧伝するが、残念なことに、いずれも環境問題の解決に貢献しておらず、環境破壊は確実に進行しているのが現実だ。本稿では、ティンバーランドのCOOを務めた筆者が、みずからの失敗を踏まえて、真のサステナビリティを実現するために業界が何をすべきかを語る。
ファッション業界ほどサステナビリティ(持続可能性)の実績をさかんにアピールしている業界は、まずないだろう。水着からウェディングドレスまで、「カーボン・ポジティブ」「オーガニック」「ビーガン」などを謳い文句に、マッシュルームからつくったヨガマットやサトウキビ由来のスニーカーが小売店の棚に並んでいる。リサイクル、リセール、レンタル、リユース、修理などの新しいビジネスモデルは、環境問題を解決する救世主だと喧伝されている。
しかし、残念な事実がある。過去25年間にファッション業界で行われてきた実験や「イノベーション」とされる取り組みは、地球にもたらす影響を軽減できずにいるのだ。これは社会が直面する気候変動やその他の課題に対して、自主的な努力をすれば解決できると期待する人々への重大な警鐘でもある。