MirageC/Getty Images

市場が急速な変化を遂げる中で、組織として最適な意思決定を下すためには、実験を繰り返すことが欠かせない。実際、多くの企業がテストを行っているが、その目的が不明瞭なまま着手し、結果の判断基準も設定されていないがゆえに、組織の意思決定にインパクトをもたすには至らない。本稿では、ビジネスの実験を成果につなげるために、マネジャーが何を意識し、どのように行動すべきかを論じる。


 ほとんどのマネジャーは問いを立てることに長けているが、それらの問いに対して、何が実現可能な答えとなるかを特定するのは、それほど得意ではない。テストを行い、その結果から学びはするが、その結果が継続的な会話と組織変革を促すことはめったにないのだ。

 実験はイノベーションを促進するが、時間とリソースを奪うこともある。社内での実験を生産的な活動にするためには、いくつかの要件を管理しなければならない。実験から何を学ぶのか、学んだことをどう活かすのか、学習によって生じた機会、そして何より、実験結果に関する同僚たちとの会話――これらが、組織の意思決定にインパクトを与えられるようにすることが重要だ。