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無意識の差別的な言動は「マイクロアグレッション」と呼ばれているが、「マイクロ」という表現が用いられることで問題が矮小化されやすい。当事者に相手を貶める意図がないからといって、その有害さが軽減されるわけではなく、あからさまな差別的行動と同等かそれ以上の影響をもたらす。本稿では、このような言動を正しく説明する表現に置き換える必要性を説き、真にインクルーシブな組織に変わるためにリーダーがやるべきことを論じる。


「あなたの名前は『風変わり』で発音できない」と初めて同僚に言われた時、その居心地の悪さをどのように受け止めればよいか、筆者にはわからなかった。相手は褒め言葉のつもりで言ったからだ。

 この出来事は、「多様性」が上流階級の白人女性の進歩を意味した時代に起きたことであり、職場で人種差別に対処するのはタブーとされた時代のことである。