
Shana Novak/Getty Images
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組織の多様性を高めようと、過小評価グループを対象に能力開発研修を実施したり、昇進プログラムを用意したりする企業は少なくない。その根底にあるのは、プロフェッショナルとして成功するために、疎外されてきた従業員自身が行動を変えてほしいという期待だ。その結果、彼らのパフォーマンスには問題があるという間違ったナラティブが生まれる。DEIを目指して、ダイバーシティを高め、インクルージョンを実現しようとしているにもかかわらず、エクイティの観点から「アシミレーション」(融和、同化)を推進してしまうのだ。本稿では、専門能力開発をどのように設計すべきかについて、3つの観点から論じる。
筆者らは最近、あるクライアントから次のような依頼を受けた。彼らが「多様な人材」と呼ぶ従業員を対象に、昇進を加速させるためのプログラムを考案してほしいという話だった。
筆者らが追加調査を実施したところ、この会社が従業員に課していた昇進条件は、多くの従業員が習得に苦労しているスキルであることが明らかになった。社会から疎外されたアイデンティティを持つ従業員にとっても、それ以外の従業員にとっても、昇進条件は同じだった。