
jacoblund/Getty Images
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ブランドがライバルと差別化を図るために、相手のブランドを批判したり、自社の優位を強調したりする手法は、マーケティング活動として一般的だ。しかし、分断を煽るようなメッセージが蔓延する現代において、ライバルを称賛するメッセージを発信することが、ブランドの好感度を高め、ひいては売上げの向上につながる可能性があると明らかになった。本稿では、さまざまな業界のブランドを対象にした一連の実験結果から、競合ブランドを称賛することの価値を論じる。
ブランドにとって、競合とどのように関わるのが最善だろうか。ブランドのマーケティング活動はたいてい、自社の強みだけを強調することに注力し、ライバルを認めることはしない。競合ブランドについて公の場で触れる時は、相手を批判するのが一般的だ。
たとえば、2000年代後半にアップルが制作したテレビ広告では、スーツ姿の堅苦しいPCユーザーと、カジュアルな服装で若々しいマックユーザーを対比させた。ペプシとコカ・コーラが、互いを標的に挑発的な比較広告を展開した「コーラ戦争」は何十年も続いた。低アルコールビールをめぐる戦いは、現在も進行中だ。