
Web3が本格的に普及することで、私たちの働き方は大きく変わるだろう。それを牽引するのが、DAO(分散型自律組織)である。特定の組織で雇用され、オフィスに集まって仕事をするのではなく、ブロックチェーン上で運営される組織をベースに報酬を得る未来が予想されている。DAOが働き方にいかなる変化をもたらすのか。本稿では5つの可能性を示す。
技術革新は常に、人々の働き方を一変させてきた。農耕用の鋤(すき)は、狩猟採集民を農耕民に変えた。ジェニー紡績機と力織機は、農耕民を工場労働者に変えた。産業の自動化とコンピュータは、工場労働者をオフィス勤務者に変えた。その後はインターネットが、仕事の進め方を根本から変えた。
そしていま、私たちの働き方を再び変えることを約束する、Web3という新たな変革が起きようとしている。
Web3とは、ワールド・ワイド・ウェブの次なるバージョンを意味する。ブロックチェーン技術と暗号資産を基盤とし、より高度な分散化と透明性、および所有権の共有を特徴とする。ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツでゼネラルパートナーを務めるクリス・ディクソンがツイートしたように、Web1は読み取り専用(ディレクトリ)、Web2では読み取り、書き込みが可能(ソーシャルメディア)、Web3では読み取り・書き込み・所有が可能だ。
Web3は、既存の仕事のあり方を大きく変えると確実視されている。それを牽引する手段となるのが、分散型自律組織、すなわちDAO(Decentralized Autonomous Organization)である。
DAOは実質的に、当該DAOのネイティブトークン(暗号資産のように機能する)を一定以上保有する人々により所有され、ガバナンスが実行される。たとえば$FWBは、フレンズ・ウィズ・ベネフィッツという人気のソーシャルDAOのネイティブトークンであり、購入、獲得、交換ができる。
暗号資産投資家でDAOのソートリーダーでもあるクーパー・ターリーがこの図で示しているように、現在では多種多様なDAOがあり、分散化の度合いも一様ではない。メディア組織、ベンチャーファンド、助成プログラム、ソーシャルネットワーク、ビデオゲーム、金融系およびテック系プラットフォーム、慈善活動など、あらゆる領域にDAOが存在する。
では、DAOは具体的に、私たちの働き方をどのように変えうるのだろうか。