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職場ではさまざまなストレスを受け、精神的に動揺したり、怒りや苦痛を感じたりすることも少なくない。自分の道徳観に反するような行動を目撃したり、みずから関与したりすることで、深刻な影響が及ぶことがある。これは「道徳的傷害」と呼ばれるトラウマの一種だ。本稿では、上司や同僚など他者による逸脱行為、自分自身が犯した違反行為や裏切り行為などで生じる道徳的傷害の悪影響について掘り下げ、それらに対処するための6つの戦略を提案する。
筆者らは、最近の論考「Employees are Sick of Being Asked to Make Moral Compromises」(従業員は道徳心が傷付けられることに辟易している)に対する読者の反応に、とても驚かされた。自分も嫌というほど知っている経験について、ようやく適切な言葉で表現してもらえた、と多くの人から言われたのだ。そして、それ以上に、「道徳的傷害」を経験した時にどうすればよいかについて、多くの人が助言を求めてきた。
簡単に説明すると、道徳的傷害とは、自分が高いリスクを伴う状況で、みずからの道徳観に反するような行動を職場で目撃したり、関与したりすることで抱えるトラウマのことだ。道徳的傷害をもたらす出来事(傷害的事象)には、上司や同僚など他者による逸脱行為、自分自身が犯した違反行為、裏切り行為などがある。