マーク・ベニオフのひらめき

 セールスフォース・ドットコムの会長兼CEOマーク・ベニオフは、社員たちが新しいソーシャル・テクノロジーを使っているのを見て、はたとひらめいた。

 同社では、〈フェイスブック〉にヒントを得て、同僚や顧客の動向を追跡し、情報やアイデアを共有できる〈チャッター〉という法人向けアプリケーションを開発し、社内の一部で試用していたが、全社的に広げようと考えていた。

〈チャッター〉への書き込みを読んで、ベニオフはあることに気づいた。つまり、重要な顧客情報を持っており、会社に付加価値をもたらす社員たちについて、自分たち経営陣はまったくと言ってよいほど何も知らないと。