
面接の場で、質疑応答を一通り終えると「では、そちらから何か質問はありますか」と聞かれることが少なくない。誰しも、何も思い浮かばずにまごついたり、突拍子もない質問をして印象を悪くしたりしたくはないはずだ。そのためには、いかに対応すべきかあらかじめ計画を立て、質問リストを用意しておくことが欠かせない。応募しているポジションが本当に自分にふさわしいかを見極めたり、自身の能力をさらに示したりするチャンスにするのだ。本稿では、「逆質問」を求められた時にどう対応すべきかを提示したうえで、具体的な質問例をカテゴリー別に紹介し、避けるべき質問についても言及する。
「では、そちらから何か質問はありますか」
面接の場でこの段階、つまり面接官からの質問が終わり、「逆質問」を求められる場面を迎えたら、まごつかずに対応したいものだ。そのためには、どのように対応するかあらかじめ計画を立て、このチャンスを活かせるような質問リストを用意しておくことが欠かせない。
とはいえ、実際のところ、どのような「タイプ」の質問をすべきだろうか。逆に、避けるべき質問はあるだろうか。
そこで筆者は、面接の専門家2人にアドバイスを求めた。テキサス大学オースティン校の教授でBring Your Brain to Workの著者であるアート・マークマンと、英国を拠点とするキャリアストラテジストでHow to Get a Job You Loveの著者であるジョン・リーズだ。本稿では、逆質問への対処法と、効果的な逆質問の例を紹介していこう。
●2つの目標に集中する
面接における逆質問の時間を、組織を評価し、自分が本当にそこで働きたいのかどうかを判断するチャンスだと考える人もいるだろう。実際、その通りだ。マークマンは、逆質問の目標の一つは、このチャンスが本当に自分にふさわしいかどうかを判断することだと指摘する。
とはいえ、面接はまだ終わったわけではなく、自分がそのポジションに最適な人材であることを示すことも大切だと、リーズは言う。つまり、もう一つの目標は、自分がその仕事に適していることを、逆質問の場を借りて引き続き伝えることだ。
リーズが提案するのは、「いくつかお聞きしたいことがあるのですが、その前に、一つよろしいでしょうか」というような切り返しだ。これによって、「その仕事に自分がどれだけふさわしいか」という重要なメッセージを明確に伝える機会をつくることができる。
実際、面接の前に「伝えたいメッセージを2つか3つ、あらかじめ決めておく」べきだと、リーズは言う。もし面接中の質問に答える中で、伝えられなかったポイントがあれば、このタイミングで伝えるべきである。そのうえで、逆質問に移ろう。
●自分に引き寄せた質問をする
質問をする際には、どのような表現を使うかが重要となる。一般的な表現ではなく、自分自身に特化したように聞こえる質問ができるとよい。
たとえば、「典型的な1日の流れはどのようなものでしょうか」ではなく、「私がその役職で経験する典型的な1日の流れはどのようなものでしょうか」といった具合だ。これによって、採用マネジャーはあなたをその役職に就いた人物という目で見るようになる。
リーズによれば、これは「素晴らしい心理的トリック」だ。「その役職に就いて仕事をしているあなたの姿をひとたび想像すると、そのイメージを捨て去るのは難しい」からだ。
●対話を発展させる
その日の面接の中で出た話題を取り上げるのも効果的だ。面接官と話した内容をベースに、そこから発展させた質問を投げかけてみる。
たとえば、あなたが担当することになると面接官が話していたプロジェクトについて、あるいはジョブディスクリプションに書かれていない職務内容について、フォローアップの質問をすることもできるだろう。ここで重要なのは、逆質問の時間を対話の続きと感じられるようにすることだ。