Illustration: Lucy Jones

部下に任せたはずの仕事が期限までに終わらず、後処理に奔走したことはないだろうか。なぜ間に合わなかったのかと尋ねると、自己弁護に走ったり、はぐらかそうとしたりする。自分は上司なのだからと冷静に対応しようとしても、フラストレーションが溜まれば、相手を攻撃したり、批判したりすることもあるかもしれない。だが、それでは逆効果だ。マネジャーとして時間管理が苦手な部下に対処するには、問題の原因を見極め、彼らの生産性を高めるべく、適切な支援を行うことが欠かせない。本稿では、時間管理のコーチによる6つの対処法を紹介する。

 

 時間管理が苦手な部下には、わかりやすい特徴がある。タスクを期限ぎりぎりで終わらせたり、期限に間に合わなかったりする。そもそも、期限をすっかり忘れていることさえある。会議に遅刻する。メールに返信しない、あるいは午前2時など、とんでもない時間に返信してくる。そして、仕事を完了するための行動より、まだ完了していないことへの弁解のほうが多い。

 こんなふうに、時間管理に苦戦している部下がいるとしよう。この問題の対処法を見極めるのは、マネジャーとしての腕の見せどころだ。

 立場上、部下にはきちんと仕事をさせなければならないため、部下が仕事を完遂しないことへのいら立ちを隠せなかったり、部下の怠慢を記録に残すことまで考えたりするかもしれない。だが一方で、あなたは、チームメンバーである部下を成長させたいとも思っているだろう。時間を有効に使う方法さえ習得できれば、並外れた貢献をする可能性のある、飛び抜けて優秀な人材かもしれないのだ。

 筆者は時間管理のコーチとして、時間管理に苦労している人々と日々接している。彼らの思考プロセスを理解したうえで、より高いレベルの生産性を発揮できるように支援を行っているのだ。

 どのようにサポートしたらよいか、自信がないというマネジャーのため、今日から始めることができる状況改善の実践的なステップを以下に紹介しよう。

 ●自分自身の感情を認める

 もしあなたが長年、その部下を管理してきたのであれば、軽いいら立ちから、はらわたが煮えくり返るような怒りまで、さまざまな感情を経験してきたことだろう。その感情は、問題の深刻さや利害関係、あなたのパーソナリティや期待、そしてストレスの度合いによって違ってくる。

 部下にフィードバックをする前に、まず自分自身の感情を認めることが欠かせない。自分が思ったり感じたりしたことがあれば、どのようなことでも、心に浮かぶままに書き出してみる。メールであれ他の手段であれ、素のままの思いを相手にぶつけるのは禁物だ。このエクササイズを行うと、自分の内面の状態に気づくことができる。

 その感情を自分自身で、あるいは信頼できる人の助けを借りて処理し、自分がなぜそこまでいら立ちを感じているのか、率直に評価する。状況をコントロールできないことが原因なのか。あるいは不安になったり、当惑したりするからか。ストレスを感じることが理由なのか。

 このプロセスを通じて、部下にフィードバックをする前に、自分の中で抑圧されていたネガティブな感情を解放できる。そうすれば、必要以上に部下に厳しくあたり、かえって害となるような事態を避けられるはずだ。