●スタート時点でサポートする

 あなたが何を必要としているか、何を望んでいるかを部下に伝えるだけで、状況が改善する場合もある。しかし状況によっては、物事を前に進めるために、上司としてさらに積極的に関与していく必要がある場合もある。

 部下が仕事に取りかかるにあたっては、以下のことを一緒に実行することだ。

  • 一緒に仕事の優先順位をつける
  • 方向性に関してブレーンストーミングを行う
  • しっかりと細部まで話し合う
  • 中間地点のマイルストーンを設定する
  • 仕事の一部をミーティングの中で一緒に実行する
  • 他の同僚とチームを組ませる
  • 何を実行する予定だったか、実際に何を達成したかについて、毎日状況を報告させる

 このように状況を設定することで、部下の仕事に弾みをつけ、その勢いを維持する。そうすれば、見違えるような変化が起きるだろう。

 ●進歩を高く評価する

 適切な方向に進んでいることがわかったら、部下が一歩前進するたびに高く評価する。まだすべてを成し遂げていないのに早々とポジティブなフィードバックをすると、部下の気が緩むのではないかと心配になるかもしれない。しかし、たいていはその逆だ。ポジティブなフィードバックは自信や積極性、モチベーションを高め、よりいっそう優れた成果を出そうとする推進力になる。

 部下は、自分の時間管理に大いに問題があることをわかっていて、あなた以上に悩んでいるかもしれない。攻撃したり、非難したりするのは、むしろ逆効果である。仕事に対してネガティブな感情が強くなると、仕事はますます遅れるようになり、早くなることはない。

 あなたと部下は、同じチームの仲間であることを忘れてはいけない。相手を押し潰すのではなく、一歩ずつ育て上げていくことが重要なのだ。

 ●外部のサポートを利用する

 距離が近すぎて、うまくいかないこともある。どれだけ客観的で冷静なフィードバックを心がけているつもりでも、それができないこともある。実際にどういう状況にあるのか、部下が正直に話せないこともあるだろう。毎日スマホをいじって時間を浪費している、あるいは家庭環境のせいで気が散って集中できないことを言い出せずにいるのかもしれない。

 そのような場合には、時間管理に関する研修や時間管理のスキル形成を支援する組織内外のコーチなど、外部のリソースを部下に紹介するのがよいだろう。時間管理にまつわる課題を人々が克服するのをサポートしてきた専門家や、感情面で距離を置くことができる第三者のほうが、長年フラストレーションを溜め込んでいる人よりも、有効な手助けをしやすいものだ。

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 マネジャーであるあなたが、時間管理の改善を部下に強いることはできない。それでも、あなたのコミュニケーションと行動次第で、部下が困難を克服し、生産性を高められるかどうかに大きな影響を及ぼすことができる。

 

“How to Help an Employee Who Struggles with Time Management,” HBR.org, May 20, 2022.