Illustration: Aaron Marin

デジタルサービスの利用者が、サービスを円滑に利用できるようにするアクセシビリティに、ますます高い水準が求められている。これまでは、視覚的要素に関するアクセシビリティの問題解決を中心に開発が行われてきたが、本来は聴覚や身体の動きに問題を抱えるユーザーのアクセシビリティも高める必要がある。高水準のアクセシビリティを実現するには、ソフトウェア開発者に従来とは異なるマインドセットが求められると、筆者は指摘する。すなわち、開発者が新たな機能を生み出す際、単一のツールだけに頼ることがないのと同様、アクセシビリティの課題に取り組む場合にも、複数のインプットを活用する必要がある。本稿では、変化し続ける要求水準に常時対応するための3つの戦略を論じる。

 

 米連邦政府一般調達局(GSA)は最近、「エクイティ・アクション・プラン」を発表し、政府のあらゆるデジタルサービスについて、必要最低限の水準を超えたアクセシビリティに注力することを明記した。連邦政府機関によるこの動きは、企業もこの流れに追随しなければならないことを示唆している。「インクルーシビティ(包括性)を高める」という基本的な変革に留まらず、ユーザーがサービスを円滑に利用できるアクセシビリティの実現に尽力する必要がある。