高年齢労働者の増加はチャンスである
あなたは50代以上の労働者に対して、定年退職間近で、新しいツールやテクノロジーの習得にあまり興味がなく、現代の職場に馴染むことのできない人々というイメージを抱いているかもしれない。
それは間違いだ。高年齢労働者は、役立たずでもなければ、過去の遺物でもない。そこにはさまざまなバックグラウンド、経験、欲求を持つ、多様な労働者が含まれている。高年齢労働者層は、とても一くくりに論じることができないセグメントであり、私たちはこれからの時代、オフィスや店舗のみならず、製造現場においても、この層の労働者が働く姿を目にするようになる。
世界のほぼ全域で、かつてないほど人口の高齢化が進んでいる。国連の『世界人口推計2019年版』のデータによると、1950年には世界人口の5%だった65歳以上の人々が、2050年までには16%に増加すると予想される。米国だけでも毎日1万人が65歳を迎えており、1950年の時点で約1300万人だった65歳以上の米国人は現在約5800万人、2060年までには9500万人近くになる[注1]。