世代間の対立や分断を乗り越えるために
企業は何をすべきか
世代間の対立は、昔からよく見られる現象だ。にもかかわらず、2019年末に「OK、ブーマー」という反抗的な表現が流行すると、この辛辣なフレーズは、発信する側の若者と抵抗する側の年長者双方の注意を引き、拡散した。
「OK、ブーマー」という皮肉に満ちた表現は、若者を見下しているように思える年長者への抵抗の証として、若い世代の人々が生み出したものだ。「ブーマー」(ベビーブーム世代)という表現が米国以外ではほとんど使われない中、韓国やニュージーランドでさえ流行した。この反抗的な表現は、政治活動、気候変動、ソーシャルメディア、テクノロジー、プライバシー、性自認など、一見したところあらゆるテーマを網羅して、世代間の大きな断絶を映し出している。
米国の職場では史上初めて5つの世代(沈黙の世代、ベビーブーム世代、X世代、ミレニアル世代、Z世代)が共存し、似たような状況が世界の他の地域でも生じつつある中、世代間の緊張が高まっている。緊張関係が引き起こしかねない怒り、および信頼の欠如は、コラボレーションを抑制し、感情的な対立に火をつけ、離職率の上昇を招いたり、チームの業績を低迷させたりする可能性がある。また、世代をめぐる問題への認識や理解が欠けていると、採用・昇進で差別が助長され、訴訟リスクにつながるおそれがある。