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多くの企業が独自の戦略を策定しているが、そのほとんどが壮大な目標を掲げたり、聞こえがいい言葉を並べたりするに留まる。戦略とは、何も決断しないまま美しい標語を打ち出すことではなく、経営陣が覚悟を持って進むべき道を選び、その選択を行った理由を従業員に伝えることである。本稿では、DPGメディア・グループの事例をもとに、経営戦略のあるべき姿について論じる。


 企業が掲げる戦略のほとんどが、大志や聞こえがいい美辞麗句を並べたものだ。

 たとえば、欧州のある大手多国籍企業は、年次報告書の中で次のように語っている。「当社の経営戦略における重要な要素として、オペレーショナルエクセレンスの継続的な追求、統合モデルの利点の最大化、技術リーダーシップの強化、そして賢明で手堅い投資が挙げられます」。