
Lydia Whitmore/Getty Images
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えこひいきが常に悪影響を及ぼすとは限らない。上司からえこひいきされる従業員がどのように表現するかで、周囲への影響は異なる。すなわち、えこひいきされている従業員がその要因を、みずからの仕事の成果であると認識し、行動する限りにおいては、周囲にプラスの効果となる。一方、えこひいきの要因を、みずからの才能であると認識する場合、えこひいきされた従業員の周囲では有害な嫉妬が蔓延し、組織に悪影響を及ぼすことが明らかになった。本稿では職場の良好な人間関係の構築につながるえこひいきの活用法を提示する。
上司のえこひいきがもたらす前向きな効果
えこひいきは悪とされがちだが、常に破壊的な行為なのだろうか。もちろん、マネジャーは、お気に入りの従業員に優先して仕事を割り振り、昇進をはじめとする報酬を与えるなど、不公平で周囲のやる気を失わせるような行為は一般に避けるべきだ。しかし、筆者らの新しい研究が示唆するように「自分が気に入っている人を選びたい」あるいは「気に入られたい」という傾向は、正しくマネジメントできれば前向きに活用することもできる。
そこで、上司がえこひいきをするとチーム内でどのようなことが起きるかを調べるために、中国、米国、英国出身の正社員500人以上を対象に2つの研究を行った。