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企業が従業員との関係を把握し、問題を改善するために、従業員エンゲージメントを指標とすることはますます広まっている。ただし、従業員エンゲージメントが高く、良好な状態であることが示されたとしても、回答を深く掘り下げていくと、従業員が苦悩しているという事実が明らかになることも少なくない。マイクロソフトのピープルアナリティクスチームは、仕事と仕事外の両面において、どれだけ成功しているかを示す「従業員スライビング」(employee thriving)という指標に注目した。この従業員スライビングは、エンゲージメントを超える新たな指標になる可能性を秘めているという。マイクロソフトの調査結果から浮かび上がった3つの重要テーマを検証し、今後の課題を論じる。

従業員エンパワーメントから従業員スライビングへ

 明らかなことが一つある。それは「2020年より前と比べて、何も変わっていない人はいない」ということだ。したがって、従業員の変化に伴い、従業員エンパワーメントの方法も変える必要がある。

 マイクロソフトのピープルアナリティクスチームにとって、従業員エンパワーメントとは、従業員が自分の人生をどのような形で有意義に生きることを望んでいるかを、データから学ぶことを意味している。一連の取り組みは、仕事と仕事外の両面において、どれだけ成功しているかを示す「従業員スライビング」(employee thriving)を測る、新たな方法という形で結実した。この方法を用いることで、従業員エンゲージメント以上のことを測定できる。