●チームが組織内の点と点を結べるように手助けする

 筆者はこれまでのキャリアで、人に助けを求めることがずっと苦手だった。上司からプロジェクトを割り当てられると、自分一人の力で完成させるのが課せられた責任だと思っていた。

 ある週末、上司から緊急の依頼を受けて、小売業者に関するデータを何時間もかけて収集したことがある。月曜の朝になって、実はサプライチェーン部門の同僚がすでに必要なデータを持っていて、頼めば喜んで提供してくれたはずだったことがわかった。

「リーダーの仕事は、チームメンバーのために組織内の点と点を結ぶ手伝いをすることです」と、ヘアケア製品ブランドのリサップ・ミラノ USAで、CMO(最高マーケティング責任者)を務めるソナリ・パイは言う。彼女は、さらに次のように語った。

「マーケターは、組織の壁を超えられなければ、仕事になりません。財務、調達、製品開発をはじめ、さまざま部門と緊密に協力し合う必要があるのです。チームで仕事をする時には、いま取り組んでいる問題の答えの一部をすでに持っていそうな人々にメンバーをつなぐことが、私の責任です。つながりをつくることで、仕事の重複をなくし、しなくてよいことに力をそそぐという、時間の無駄もなくすことができます」

 パイが言うように、リーダーはチームに「助けの求め方」を指導する必要がある。場合によっては、チームを代表して助けを求め、組織内のほかの人々にメンバーをつなぐこともあるだろう。

 リーダーは組織としての観点からも、他部門で行われている仕事や、自分たちの取り組みと重複するもの、付加できるものを認識しておかなければならない。そうすれば、組織として本来すべきことにチーム全体で取り組むことができるはずだ。

 チームがより懸命にではなく、より賢明に仕事をすると、自分たちが組織にどのようなインパクトを与えているかが見えてくるだろう。「自分たちは重要な貢献をしている」とチームが感じることは、人材を育成し、維持するための最大のリテンションの一つなのである。


"Help Your Team (Actually) Work Smarter, Not Harder," HBR.org, June 28, 2022.