●大きなイニシアティブの内容を精査する

「クライアントの自宅売却をサポートする時、私はチームメンバーを管理しつつ、コストにも目を光らせています」と言うのは、不動産テック企業コンパスのブローカー・アソシエート、アダム・ビッコフだ。

「チームリーダーとして、プロジェクトを精査し、それぞれの仕事に期限を課し、結果だけではなくプロセスを重視して、マネジメントを行っています。つまるところ、私の仕事は、クライアントに提供する価値を最大化することなのです。ですから、チームメンバーが何時間も、見当違いなものに力をそそぐような余裕はありません」

 ビッコフは、住居の売却に必要な仕事を見極める際、まずクライアントが自宅を売りに出したい日を聞き、それに基づいて一緒にスケジュールを策定する。そのうえで、チームが主要な節目で達成すべきことを明確にするのだ。たとえば、住宅診断、修理・修繕、ディープクリーニング、ホームステージング(展示用に、室内を家具や照明、小物などで演出する販売手法)、オープンハウスや展示会の開催などである。それらを踏まえ、それぞれの節目で目標達成するために必要とされる、およその所要時間を割り当てる。

「一度に何人ものクライアントのために物件を売買するので、自分たちのためだけではなく、クライアントのためにも、いっときも無駄にはできないのです。賢く仕事をするしかありません」

 チームで賢く仕事をさせるためのビッコフのアプローチは、不動産以外の業界にも適用できる。

 リーダーは、大きなプロジェクトでは完了日を明確に設定し、プロジェクトの主要な節目ごとにおよその所要時間を割り当て、メンバーが特定の作業に時間をかけすぎている場合には指導するなどして、チームをサポートすべきである。誰かが見当違いなものに時間をかけていたら、プロジェクトのほかの部分に波及し、重要な成果物に影響しかねない。

 さらにリーダーは、有益な指導や指示を与えることと、チームのためになるからと、みずから手を動かしたり、細かいことにまで口出ししたりすることとの違いを肝に銘じておかなければならない。

 ●チームが完璧主義に走らないように指導する

 筆者はこれまでのキャリアで、繰り返し完璧さを追求してきた。

 プレゼンテーションにぴったりの画像が見つかるまで検索し続けたり、シニアマネジメントに進捗状況を報告する短いメールのために何時間もかけて下書きし、修正し、書き直したりした。上司と進捗状況を確認する1対1ミーティングのために、何時間もかけて自分が担当しているプロジェクトのリストを更新したこともある。だが結局、上司はそのリストには目もくれなかった。

 リーダーは、チームメンバーが完璧主義に走らないように、しっかり目を配る必要がある。研究によれば、完璧であろうとすることは仕事の成功を妨げるばかりか、バーンアウト(燃え尽き症候群)に至ったり、健康問題を引き起こしたりすることがあるという。バーンアウトはいまなお、人を退職に追い込む主要因の一つだ。チームメンバーに完璧主義をやめるよう指導することは、人材を維持する手立ての一つでもある。

 あなたはリーダーとして、これまで自分が完璧であることを目指して、どのような道をたどったてきたかを、包み隠さずに話すことだ。また、どのように優先順位をつけ、本当に重要なものに賢く取り組み、ビジネスの成果を上げることに力を注いでいるかを共有するのもよい。たとえば、メール作成やプレゼンテーション用の画像検索など、比較的小さな仕事にはタイマーを活用するよう勧めるのもよいだろう。

 また、ミスをしてもこの世の終わりではないことを、チームメンバーに伝える。ニュースレターでタイプミスをしたり、メールにファイルを添付しそびれたりしても、それだけでキャリアが台なしにはならない。そして、時には完璧さよりも、とにかく完成することのほうが大切であることを忘れてはいけない。