PM Images/Getty Images

責任を取ることはリーダーシップに欠かせない要素だが、責任感が過剰である場合は見直すべきだ。リーダーとして負担を抱えすぎることで、燃え尽きてしまう可能性がある。また、リーダーのネガティブな感情がメンバーに伝わり、チームに悪影響をもたらすことにもなりかねない。本稿では、自分の責任感が強すぎないか検証し、みずから負うべき責任と他者に委譲すべき責任のバランスを見極める方法を解説する。

責任感が強すぎないか見極める

 責任を取ることは、強いリーダーシップに不可欠な要素である。「最後は私が責任を取る」「リーダーシップとは、ほかの人が言いわけをしている間に責任を取ることだ」と、よく言われる通りである。

 しかし、リーダーは自分でも意図せずに、他人の仕事や感情、失敗、問題を自分のものとして引き受け、過剰に責任を負うことがある。たとえば、技術部門のシニアリーダーを務めるジョイスは、チームの負担を軽くするためにほぼ毎週末、仕事をしていた。タイラはチームのあるメンバーの個人的な苦悩に責任を感じ、心を痛めていた。法律事務所のパートナーのアレックは、あるクライアントが引き起こしたやっかいな状況の解決に奔走し、体調を崩してしまった。