共同CEO体制を成功させる9つの条件
企業は強力なリーダーが単独で率いるべきである──。長い間、これは一般的な考え方とされていた。共同CEO体制を敷き、CEOを2人置く企業はあったものの、それほど多くない。
1996年から2020年までの間、S&Pグローバル1200およびラッセル1000指数に組み入れられていた2200社のうち、共同CEOが率いる企業は100社に満たなかった。さらにこの期間、特に経営環境が厳しい時期において、共同CEO体制を敷く企業の中には著しく業績が低迷した企業があった。たとえば、チポトレ・メキシカン・グリル、ソフトウェア会社のSAP、携帯端末製造の草分けであるリサーチ・イン・モーション(2013年にブラックベリーと社名変更)などである。
この事実に驚かない人は多い。トップに意思決定者を2人置けば、理屈の上では、問題が発生することはほぼ避けられないからだ。対立や混乱、一貫性の欠如、優柔不断、判断の遅れなどが生じるのだ。