
企業は近年、不確実性を高める5つの大きなショックに対処してきた。ブレグジット、米国大統領選、米中貿易摩擦、パンデミック、そしてウクライナ戦争だ。本稿ではこれらの出来事によってどの程度不確実性が高まったのかを可視化した。さらに筆者らは、不確実な時代を乗り越えるために、企業に必要な3つの取り組みについて助言する。
ニューノーマルに対応するための3つの方法
この6〜7年、企業は5つの大きな「不確実性ショック」に対処しなければならなかった。2016年のブレグジット、米国大統領選挙、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、そして2022年のウクライナ戦争だ。
これらのショックは、国内外の政治的分断によって引き起こされたもので、より大きな世界的混乱というニューノーマルを反映している。そして、経営者がよく知る経済的なショックとは微妙に異なる。
不確実性ショックは、典型的な経済的ショックと重なる時もある。たとえば、ロシアのウクライナ侵攻は、エネルギーや食料の供給を妨害し、その価格を上昇させた。ただし、必ずしも同時ではなく、米大統領選挙は、実体経済に直接的な影響を与える前に、企業にとって大きな不確実性を生み出した。
筆者らの調査が示唆するように、このような不確実性ショックは企業に具体的な影響を与えている。そして、そのような事態は常態化している。企業はこのことを認識して、以下の3つの方法でニューノーマルに対応しなければならない。すなわち、グローバルな事象を注意深く追跡して、柔軟性を発揮し、緊急時の対応計画であるコンティンジェンシープランを準備するのだ。