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法人向けのITベンダーは、営業とマーケティングのリソースの多くを誤った活動に費やしている。売り手(セラー)は買い手(バイヤー)の動向を理解した上で、最適な手段を取る必要がある。本稿では、ベンダーの営業プロセスにおける間違いと、見直すべきポイントを解説する。

買い手は初期のリストから最終購入先を決める

その取引は負けるべくして負けた——。

最近のことである。ある買掛金管理ソフトウェア会社は、既存顧客からの契約獲得を目指していた。その顧客は、初期段階で候補企業を絞ったベンダーリストを作成していたため、契約を得られるかどうかは、営業担当者次第だった。

いざ最新ソフトウェアを紹介するデモンストレーションの段階になると、営業担当者の準備不足のせいで、ユーザーインターフェースは悪く、次世代製品のロードマップも不十分で、買い手のニーズともミスマッチという有り様だった。この顧客は、「デイワン」のリストに載せていた別の企業を選んだ。営業プロセスが始まるよりも前に候補になっていた企業だった。

 このソフトウェア会社のように、B2Bベンダーは、営業とマーケティングのリソースの多くを誤った活動に費やしている。