AIが営業に好循環をもたらす
営業プロセスに高度なテクノロジーを導入する企業が増えている。しかし、そのほとんどはテクノロジーを有効活用していない(一部の企業はまったく活用していない)ことが調査で明らかになった。デジタルテクノロジーに強い営業組織が何十年も前から導入してきた顧客関係管理(CRM)システムでさえ、十分に使いこなされていないのだ。
セールス・マスタリーが332人の営業マネジャーを対象に行った2022年セールス・パフォーマンス・スコアカード調査では、回答者の15%が「自社ではCRMシステムを積極活用していない」と答え、42%が「既存顧客や潜在顧客に関する情報の蓄積に使っているだけ」と回答した。
営業担当者が苦戦するのは無理もない。CSOインサイトが約1000人の営業リーダーを対象に行ったグローバル調査によると、2012年から2019年にかけて、営業担当者の年間ノルマ達成率は63%から57%へと低下した。また、営業活動の16項目について自分のチームを評価してもらったところ、15項目で5年前よりもチームのパフォーマンスが低下したと回答した。筆者らが話を聞いた営業幹部によると、営業担当者のパフォーマンスは近頃、いっそう悪化しているという。