労働生産性の改善がものづくりを変える
近年、「日本の製造業は凋落した」という論調を耳にすることが増えている。しかし、本当にそうであろうか。
日本のGDPの2割を占める製造業は、現在も270の分野で世界シェアの6割以上を押さえている[注1]。この数は米国の2倍、中国の5倍以上に当たる。データからは、いまもなお高い国際競争力を保つ基幹産業だといえるだろう。
その一方で、日本の製造業の労働生産性に大きな課題がある。1995年、2000年は世界一だったにもかかわらず、2019年にはOECDに加盟する主要31カ国中18位にまで下落している[注2]。