理由2:家庭のルーティンが変わった
在宅勤務のスケジュールを調整すべき2つ目の理由は、あなた自身ではなく、あなたの周りで起きた変化を考慮するためだ。たとえば、配偶者がオフィス勤務に戻って1日中ほとんど家にいなくなった、子どもが転校して送り迎えの時間が変わった、子犬を飼い始めて散歩の時間をスケジュールに組み込む必要ができた、といったことだ。
このような環境の変化は重要で、一日の予定すべてを注意深く考える必要がある。たとえば、始業時間を遅らせるべきか、早めるべきか。子どもの学校やスポーツの送り迎えのために、相乗りを依頼することを検討する必要はないか。運動のスケジュールを調整する必要はないだろうか。
家庭のルーチンが変わることで、どのように時間が増えるのか、あるいは減るのかを認識し、それに応じて見通しを立て直すことだ。
理由3:より健康的な習慣を身につけたい
在宅勤務に移行したことで、通勤に費やしていた時間を睡眠や夜のウォーキングに充てることができ、セルフケアを強化できたという人もいるだろう。
しかし、オフィスに行かなくなったことで健康的な習慣が損なわれた人もいる。終業時間が曖昧になって遅くまで仕事をしているために就寝時間が遅くなった人、職場のジムに通わなくなって運動習慣がなくなったままの人もいる。また、オフィスのカフェテリアのサラダバーをフードデリバリーに変えたら、ストレッチパンツですら入らなくなったという人もいるかもしれない。
少しでも当てはまるなら、よりよい健康管理のためにスケジュールを調整する時だ。たとえば、始業時間と終業時間を明確に決めて、夜はくつろぎ、適切な時間に眠るようにする。また、スケジュールは柔軟なほうが望ましいものの「今日はもう十分やった」と感じたいのなら、8~9時間を目安に仕事をした時間をカウントするのも一つの方法だ。その時間分働いたら、午後の4時でも6時でも8時でも、罪悪感を持たずに仕事をやめてよいとする。
体を動かすには、小さなことから始めるとよい。筆者が一緒に仕事をしている人のなかには、自宅でできる1日10分程度の運動から始める人もいる。「スウォーキット」(Sworkit)のようなアプリを使えば、短時間のルーチンをつくることができるし、ユーチューブには無料の動画が豊富にある。また、休憩時間に携帯電話をチェックする代わりに、5分程度の短い散歩をするのもよいだろう。その程度の時間ならば、集中力を切らすことなく、むしろ健康状態の改善につながるのだ。
最後に、在宅勤務になってから食事の栄養面で苦労している人は、週末や平日の夜に食料品を購入する時間を確保する必要があるかもしれない。ほとんどのスーパーでは、サラダや簡単に用意できる食事を取り扱っており、テイクアウトよりも安価で健康的な場合が多い。また、リンゴ、バナナ、ベビーキャロットなども手軽なスナックとして、栄養価の高い食生活に一役買うことができる。
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在宅勤務のスケジュールがひどいものではないからといって、改善の余地がないわけではない。新しい年にリモートワークのスケジュールを改めたいなら、本稿で紹介した方法を実践してみてほしい。
"Is It Time to Shake Up Your WFH Routine?" HBR.org, January 13, 2023.