部下に適切な職務を与えているか
筆者の好きな『スター・トレック』のストーリー展開の一つに、宇宙艦隊アカデミーの学生を対象に設計されたコバヤシマルのシミュレーション訓練の話がある。1982年に公開された映画『スター・トレック』の第2作で初めて登場し、2009年にこの映画シリーズがリブートされた際も登場した。
そのシミュレーションでは、宇宙艦隊の士官候補生が受け入れがたいジレンマに苦しむことになる。自船の乗組員全員を危険にさらしてでも、敵地の奥深くで故障した民間船を救助するか、あるいは民間船の乗客および乗組員381人の命を見捨てるかを決断しなければならないのだ。
この選択を迫られた時、『スター・トレック』の主人公であり、当時は士官候補生だった短気なジェームズ T. カーク船長は、勝ち目のないシナリオの受け入れを拒んだ。その代わりに、シミュレーションプログラムをハッキングし、自船を失わずに民間船を救えるよう再プログラムしたのだ。