仕事への情熱を失ったあなたが、再び仕事に本腰を入れるためにすべきこと
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サマリー:誰しも、仕事への意欲を失ってしまうことはある。そのような時、自分が望む形で次の一歩を踏み出すため、どのようにアプローチと考え方を変えれば良いのか。始めのステップは、自分の評価をどのような形で再び高めた... もっと見るいかを決めることだ。 閉じる

仕事への意欲を失っている時に考え方を改める方法

 あなたは、仕事が楽しいだろうか。大丈夫。ここでは正直な気持ちを打ち明けてかまわない。もし、答えが「ノー」だとしても、そのように感じているのはあなただけではない。筆者はキャリアコーチとしての経験を通じて、給料を受け取り続けながらも、仕事への意欲を失っているプロフェッショナルたちを数え切れないほど目の当たりにしてきた。

 仕事に不満を感じている人ならよく知っている通り、そうした感情は、さまざまな理由により時として急速に膨れ上がる。たとえば、大量のノルマを課されてストレスを感じていることが原因になる場合もあるだろう。あるいは、自分ではコントロールできない要因により、仕事の範囲が広がったことが原因になる場合もあるだろう。上司や同僚や顧客のせいで、業務の実行が難しくなり続けていることが原因の場合もあるだろう。職場で成長の機会が十分に与えられず、自分のスキルに磨きをかけたり、関心を追求したりする機会が乏しいことが原因の場合もあるだろう。

 しかし、昨今の厳しい経済環境の下、ビジネス界では人員削減の動きが広がり、雇用の安定が脅かされている。そうした状況を受けて、これまで仕事へのエンゲージメントが弱まっていた働き手たちの意識が変わり、差し当たりの目標を修正するケースが増えている。

 自分が望む形で次の一歩を踏み出せる状況になるまで、意に反して職を失うことを避けるために、どうすべきなのかを考えるようになったのだ。具体的には、どのようにアプローチと考え方を変更すればよいのか。本稿では、その点を明らかにしたい。

どのような形で自分の評価を再び高めたいかを決める

 筆者の著書Prep, Push, PivotWiley, 2022.(未訳)では、「キャリアで大切にしたいことを決める」というエクササイズを紹介している。一言でいうと、あなただけの職業上の誓約を行うのだ。それは、あなたの仕事とキャリアの歩みの土台を成す重要な信条を表現したものであるべきだ。自分の仕事に対するエンゲージメントを強化したいのなら、キャリアで何を大切にしたいかを決めて、自分が一番得意にしている活動をさらに増やし、職場での自分の評価を再び高めるために行動しよう。

 まず自分自身に問いかけるべきなのは、「私はどのようなことで名を知られたいのか」という問いだ。

 どこから手をつければよいか見当がつかないこともあるだろう。それでも動揺する必要はない。近くで一緒に働いたり、目の当たりにしたりしてきた人々の中で、高いパフォーマンスを発揮して大きな尊敬を集めている人物を思い浮かべて、そうした人たちが持っている資質をリストアップしてみよう。

 その資質は、情熱かもしれないし、コミュニケーションのスキルかもしれない。あるいは、信頼性や、プレッシャーの下で十分に機能する能力かもしれない。

 リストが完成したら、その中から、自分が評判を獲得したいと思う資質をいくつか選ぼう。それは、あなたがすでに持っているけれど、十分に生かせていない資質の場合もあれば、さらに磨きをかけたいと思っている資質の場合もあるだろう。

 次に、自分にこう問い掛けよう。「今後、どのような姿勢で仕事に臨むつもりなのか」

 この問いに答えるに当たっては、前のステップで選んだ資質の持ち主であることを実証するために、どのような行動を取ればよいかを文章の形で記すと効果的だ。たとえば「自分で率先して行動する人物」という評判を確立したいのであれば、それまで避けてきた課題に、スケジュールを前倒しして着手することを徹底すればよいかもしれない。