多忙でも同僚とつながる時間をつくる方法
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サマリー:仕事の忙しさや締め切りに追われると、同僚とのコミュニケーションが犠牲にされることがある。しかし、リモートワークの場合は特に、個人的なつながりが重要である。毎日わずかな時間を割いて同僚との個人的な理解を... もっと見る深めることは、ウェルビーイングの向上と、燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスク軽減に役立ち、パフォーマンスを向上させる可能性があるからだ。 閉じる

同僚と有意義な関係を保つ

 仕事が山積していて、締め切りも迫っているという時に、最もしたくないのは同僚との情報交換やおしゃべりである。ただ粛々とやることリストのタスクを片付け、仕事を終わらせたい……。

 周囲を遮断して、目標だけに集中すべき時ももちろんある。しかし、同僚と業務的なやり取りしかしていないと、特にリモートワークの場合は、個人的なつながりの感覚を失うおそれがある。毎日数分でも職場で互いの理解を深める時間を取ることで、目的意識とウェルビーイングが高まり、燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクが軽減し、パフォーマンスが向上する可能性がある。

 では、ストレスや負担を感じることなく、人と過ごす時間をつくるにはどうすればよいのか。時間管理のコーチとして筆者は、少し意識を高めるだけで、多くの時間を費やさなくても有意義なつながりを持てることを、この目で確認してきた。

1on1ミーティングで雑談をする

 すでにチームメンバーと1on1ミーティングを予定している場合は、仕事の議題に入る前の最初の数分間のうちに、相手の様子を尋ねよう。個人的な近況報告に終始する必要はないが、最近の休暇について聞いたり、母親が退院したかどうかを確認したり、手術からの回復具合を尋ねたりするために5分確保するだけでも効果がある。

 いつも一緒にプロジェクトに取り組んでいる同僚との1on1ミーティングでも、同じ戦略を使える。会議の長さや話し合う内容の多さによっては、毎回キャッチアップする時間はないかもしれない。しかし、数回に1回、会議の最初か最後の数分に目の前のプロジェクト以外の話をすることで、関係を深められる。スポーツチームへの情熱を通じて結束を強めたり、家族の話をしたり、表面的なタスクを処理することを超えてつながりを持てる話題なら、どのようなものでもよい。

 他人の生活の詳細を覚えておくのが苦手なら、飼い始めた子犬や、子どもの最近の課外活動、副業がうまくいっているかなど、尋ねることを忘れないようにスケジュール帳にメモを書いておこう。

会議中のグループシェアリングを奨励する

 大規模なチーム会議では、個人的な近況報告をする余裕はあまりないだろう。しかし、少人数のチームなら、週単位や月単位でその時間を取るのが適切かもしれない。業界のカンファレンスに参加したことなど、最近の出来事について会議の冒頭で手短に共有するといった簡単なものでもよい。

 対面で仕事をしているなら、そのためのフォーラムを設定するとごく自然に近況報告をしあえるはずだ。たとえば、月曜の朝にコーヒーとベーグルを持ち込んで一緒に朝食を取るのもよいし、金曜の午後にハッピーアワーを設けてもよい。たとえ15~20分でも形式張らない会話をすることで、チームのエンゲージメントを高めることができる。

 リモートやハイブリッドのチームは、自然な流れでつながりをつくるのは難しいかもしれない。そこでバーチャルなハッピーアワーを開催したり、チームミーティングの際に少人数で情報をシェアしたりすることを検討すべきだ。ただし、近況報告は短めにすること。でないと、よかったことや悪かったことの報告が延々と拡散されるミーム状態に陥ってしまう。