3. 時間の罠
「自己開発に投資する時間がありません。すべてが落ち着くか、このプロジェクトを完了するか、またはこの人を採用できたら、その余裕ができるのですが」と、マネジャーが言うのをよく耳にする。この考え方のために、多くのマネジャーは時間の罠に陥り、長期的なキャリアの前進を妨げられている。
この時間という罠は、マネジャーの言い逃れの産物ではない。彼らが対処している困難な現実を反映している。誤っているのは、いつか魔法をかけたように、時間に余裕が生まれ、やるべきことが減る時が来るという期待である。もし自己開発に専念できる完璧な機会を求めるならば、ただ待つばかりで、キャリアは停滞するだろう。
マネジャーがマイクロラーニングの時間を持つ
多くの人は、いまだに能力開発というと、何かのコースを受講するなどの正式な学習方法を連想する。しかしマネジャーに必要なのは、小さく単純な形で、日々の業務で能力を開発することだ。マイクロラーニングの時間の実践は、継続的な向上の習慣に弾みをつけ、記憶に残りやすく簡単だ。効果的なマイクロラーニングは、たいてい10分もかからず、短いけれども多大な効果がある。長期的には、継続学習から複合的効果を得られる。いくつか例を挙げよう。
迅速なフィードバック
チームメンバーに、次のような質問に答えてもらう。「最高の状態にある私を3つの言葉で表現するとしたら、それは何でしょうか」。この単純な質問を通して、マネジャーは自分の意図が影響力とつり合っているかどうか、即座に察することができる。
1分で1週間を振り返る
週の終わりに、自己認識についての次の2つの質問について、1分間で答えを書き出そう。「今週、私に最もエネルギーを与えてくれたものは何か」「今週、もっとうまくいったはずのことは何か」
強みを促進する
あなたが強化したいスキルを一つ選んで、定期的な活用(どうすれば、その強みをさらに使えるか)や、領域(その強みを、今日、使わなかったどの場面で使うことができるか)、範囲(その強みを誰と共有できるか)に関連する行動を見つけ出そう。
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マネジャーが自己開発をうまく管理するほど、成長の妨げとなるキャリアの失敗を避けることができるだろう。そして、チームメンバーは、キャリア開発への投資の好ましい効果を見れば見るほど、それに倣おうとするだろう。マネジャーを助ければ、ねじれのあるキャリアを進むすべての人の成功を助けることができるのである。
"How Managers Can Make Time for Their Own Development," HBR.org June 29, 2023.