大学

 MBAや博士号を取得するために大学で学んだ人もいるだろう。フルタイムで通学したなら、取り組んだ具体的なプロジェクトがその仕事に直接関連していること、また過去の職務経験と合わせて、自分が担おうとしているポジションにユニークな価値をもたらすことを伝える。MBAを取得し、事業運営に関わることを目指しているなら、実際に携わった企業のプロジェクトを履歴書に記載し、面接で話せるようにする。

 学位取得のために学校に通うのではなく、コースの受講や資格取得を通してスキルを身につけたなら、そのスキルがどのように希望する職種に適用でき、他の候補者と差別化できるかを説明する。書籍からその分野に対する新たな視点を得たり、リーダーシップ能力を高めたりしたら、学んだ原則をどのように職場で活かせるかを話す。

解雇

 業績とは関係なく、大量解雇の影響を受けた場合は、ビジネス戦略が変わり、自分の部署やチームも最近の解雇の波にのみ込まれたと面接官に説明する。その不運な状況をポジティブなことと位置づけることもできる。「新たな挑戦を探していたので、それは幸運でした」

 業績が原因で解雇となった場合、解雇を選択した雇用主は、あなたが仕事で成功したとは思っていない。一方、おそらくあなたは違った見方をしているか、当時の役割が自分の期待したものではないと感じていただろう。その場合は、その仕事が考えていたものとは異なり、スキルや能力を最も効果的な方法で活用できなかったと説明する。常に伝えるべきなのは、その経験から何を学んだか、そして、次の仕事が自分の期待に近いものになるように、どのように積極的に取り組んでいるかだ。

「入社後すぐに、その仕事が説明されたものとは異なるとわかりましたが、その会社と契約した以上、全力を尽くしたいと思いました。結局、私のA、B、Cのスキルは、そのビジネスに価値をもたらすために有効に活用されることがありませんでした。そこで、友好的に退職し、結果、ビジネスニーズに基づいて最も価値をもたらすことのできる、適切な仕事を探すことができています」

 職場が有害な環境だったとか、その他の理由で退職を決めた場合は、ネガティブな側面を面接に持ち込まないこと。退職のポジティブな点を見つける。たとえば「自分の価値観に合った仕事を見つけるために集中する時間が必要で、週60時間働く中では、その時間がありませんでした」といった具合だ。最も重要なのは、けっして人の悪口を言わないことだ。責任を取らずに他人のせいにし、新しい会社でも同じことを繰り返す人だと見られるからだ。道徳的な振る舞いをしなければならない。

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 パンデミック以降、ほとんどの雇用主は履歴書の空白期間について理解を示し、差別的な見方をしなくなったが、空白期間について明確に、自信を持って、よどみなく説明する準備が必要である。自分のキャリアの軌跡を自信を持って伝えるということは、リクルーターや採用担当者に対して、すべての点と点をつなぐということだ。空白期間にまつわるストーリーを自分で形づくることで、その期間を問題視することはなくなる。


"How to Explain a Gap in Your Resume," HBR.org, June 30, 2023.