藤田 僕はネット証券がこれからやるべきことはたくさんあって、すごく面白いビジネスだと思っています。

 たとえば、2024年1月から新NISA(少額投資非課税制度)がスタートしますが、新たに資産形成を始める人がスマホを使って気軽にエントリーできるのがauカブコム証券ですし、MUFGやKDDIと連携して、金融サービスにおいて誰一人取り残さない、いわゆるファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)を実現していくのも当社に課せられた社会的役割だと思っています。

 日本では個人(家計部門)が保有する金融資産が約2000兆円ありますが、その過半数が預貯金で、株式や投資信託などに投資するのは、多くの人にとってまだ当たり前のことになっていません。

 金融庁の「つみたてNISA」ガイドブックを読めばわかりますが、株式と債券に20年間積み立て投資を行った場合、1989年以降のデータでは元本割れの可能性は0%です。「長期」「分散」「積み立て」を組み合わせれば、安定的な資産形成ができるのですが、そうした事実をもっと広く知ってもらって、情報格差を埋めるのも当社の使命だと思います。

ゴールに向かって何をすべきかをともに考えてほしい

藤田 投資による資産形成に縁遠い人が多い理由の一つは、個人によって収入や人生設計が違いますし、それがライフステージによって変化していくので、パラメーター(媒介変数)が多くて、どのタイミングで何を始めて、どんなゴールを設定すればいいのかがわかりづらいことです。

 そこをデジタル技術で解決できる可能性が非常に高いと僕は考えています。まずはポイント投資でもいいので投資を始めてもらって、対話を通じて僕たちはお客様理解の解像度を高めていき、お客様には投資についての知識を深めていただく。

 そして、たとえば「将来は子どもに海外留学させたい」といったその時々のお客様の資産形成ニーズに合わせて、最適な投資プランをご提案する。そういう世界観を実現していくのが、僕にとってのゴールですね。

髙栁 それはまさに「すべてのひとに資産形成を。」というミッションの実現につながりますね。

藤田 でも、僕たちだけで実現できるとは思っていないので、そのゴールに向けて何をすべきかを、プレイドの皆さんにも一緒に考えてほしいと期待しています。

 御社に感謝しているのは、単にプロダクトを提案するのではなく、当社の事業方針、さらにはauフィナンシャルグループとしての事業戦略までよく理解し、長期的な視点から逆算して「いま、これをやったほうがいいです」と提案してくれることです。そこまで我々の立場になって考えてくれるパートナーは本当に貴重な存在だと思っています。

 当社のマーケティング担当者たちは、「プレイドの人たちと話すと、営業担当者だけでなくエンジニアも主語が当社のお客様(auカブコム証券のエンドユーザー)になっていて、その徹底ぶりに驚くし、頼もしい」と言っています。

 ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、プレイドのエンジニアはデータの話と事業の話が両方できるので、「(自分の思考を整理するための)壁打ちの相手としてはもってこいだ」とも言っていますね。

髙栁 当社のビジネスはB2B2Cであり、常にクライアントにとってのお客様を主語として考えなくてはいけないという点は、口を酸っぱくして言っています。

 運転席にいるクライアントの横に座らせてもらい、一緒にエンドユーザーのことを考え、期待値を超えるCXを実現していくのが、僕たちの仕事の醍醐味だという気がします。

 これからも顧客戦略を実現するパートナーとして、御社の横に座り続けていたいと、今日のお話を伺いながらあらためて思った次第です。

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