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リーダーも無意識に生み出す「偽りの緊急性」
かつてないほど緊密につながり、機敏な対応が求められる時代。私たちは膨大な作業量に対処し、競争力を維持しながら猛スピードで仕事をこなしている。緊急の案件に追われ、時間が足りないという感覚から逃れられる日はない。
しかし、組織内のあわただしい活動の多くは「偽りの緊急性」、つまり有意義な進歩に結びつかない非生産的な忙しさである場合が多い。偽りの緊急性はこれまでもある程度は存在していたが、パンデミックと緊密なつながりの増加、迅速な対応への期待が相まって、いちだんと存在感が強まっている。
優れたリーダーであっても、無意識のうちに偽りの緊急性を生み出し、チームの士気やウェルビーイング、パフォーマンスの足を引っ張るケースはある。たとえば、高水準のパフォーマンスを求めるあまり、自身やチームに過度に厳しい締め切りを課してしまったラム。あるいは、献身的な性格のせいで、シニアリーダーシップに異議を唱えるのをためらい、チームに過剰な追加作業を求めてしまったオルガ。さらに、競争心が旺盛で、新たなアイデアやトレンドを探求するあまり、チームに際限なく変更作業を要求してしまったセブ。
もちろん、リーダーがチームに望むのは、最優先課題に対して真の意味で緊急対応をすることだ。しかし、偽りの緊急性と真の緊急性は、いずれも主体的かつ活発なものに見えるため、取り違えやすい。
リーダーも従業員も多大なストレスを抱え、バーンアウトが頻発する状態が続く中、リーダーは偽りと真の緊急性の違いを知り、前者を根絶する必要がある。本稿では、無意識のうちにチーム内に偽りの緊急性を生み出さないようにし、その悪影響を避ける方法を紹介しよう。