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永続的に価値のある能力は何か
プロジェクトマネジャーは、ビジネスにおける万能選手だ。数字にもプランニングにも人材にも強くなければならない。ハード(技術的)スキルとソフト(人間的)スキルの両方を持つ中間的な存在であるため、どちらかに分類することが難しい。
世界全体では、毎年48兆ドルがプロジェクトに費やされている。私たちは皆、ある意味でプロジェクトマネジャーなのだ。映画監督からレストランのオーナー、弁護士、会計士に至るまで、多くの職業がプロジェクトのマネジメントに携わっている。そして、すべてのプロジェクトには監視、監督、遂行が必要であり、つまりはプロジェクトマネジメントが欠かせない。
プロジェクトマネジャーの役割は変わりつつある。AIはプロジェクトマネジメントに大きな影響を与えることになる。ガートナーの予測では、2030年までにプロジェクトの80%がAIによって実行されるようになる(留意すべきは、この予測は生成AIが2023年急速に台頭する前のものであることだ)。そのため、専任のプロジェクトマネジャーも、役割の一部としてプロジェクトを管理する人も、将来に向けて最も価値のあるスキルを特定し、習得するために内省する必要がある。
特に、集中して決まった時間内にタスクを完了させる「タイムボクシング」は、すべてのプロジェクトマネジャーにとってとりわけ重要で、永続的に価値のある能力だ。これはプロジェクトマネジメントの中核に位置し、より優れたタイムボクシングがプロジェクトマネジメントを向上させる。その逆もしかりだ。
タイムボクシングの2つのタイプ
まず明確にしておきたいのは、タイムボクシングがアジャイルソフトウェア開発と個人の生産性という2つのコンテクストで使われている点だ。
この用語は、ソフトウェアやアプリケーションを構築するプロジェクトを、通常は数週間から数カ月の期間で計画し、管理する手法として1990年代に生まれた。そうしたプロジェクトには、納期や依存関係が付き物で、タイムボクシングはプロジェクトを期限内に完了させるためにチームが使用する多くのモデル(高速アプリケーション開発、かんばん方式、スクラムなど)をサポートする。
最近では、一般的な意味でも使われるようになり、その際は「個人の」生産性を高めるための考え方や方法を示す。このタイプのタイムボクシングでは、個人は体系的かつ計画的に、何をするか、いつ始めていつ終わるかを決め、そのタスクのみを一定時間内に終わらせる。このタイムボクシングは、チームではなく、一個人のためのものだ。
この用語の2つの使われ方には共通の特徴(タスクと期限)があるため、混同されやすい。本稿では、後者のより広く適用可能なタイムボクシングに焦点を当て、その利点と特質が、一般的に質の高いプロジェクトマネジメントを可能にすることを解説する。