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将来のプロジェクトマネジメントの姿
近い将来、ある大手電気通信会社のCEOはスマホアプリで会社の7つの戦略的イニシアティブをチェックしているだろう。2~3度タップすれば、各プロジェクトの現状と期待される利益の達成率が見られる。プロジェクトをまとめたドキュメントであるプロジェクトチャーターやKPI(重要業績評価指数)、各チームメンバーの士気のレベルや主要ステークホルダーの全般的な賛同についても、即座に情報を入手できる。
CEOは「リブランディング」イニシアティブについて、データを掘り下げる。数カ月前、大手のライバル社が環境保護を重視する新しいブランドを立ち上げたので、自社も持続可能性の導入を加速させている。イニシアティブ開始時にプロジェクトマネジャーとプロジェクトチームが選択したパラメーターに基づいて、AI(人工知能)主導の調整がすでに何度も行われている。このアプリはCEOに、注視すべきあらゆる変化と潜在的リスクを知らせ、必要とされる意思決定の優先順位をつけ、それぞれについて考えられる解決策を提供する。
CEOは選択をする前に、プロジェクトマネジャーに電話をする。いまやプロジェクトマネジャーは、チームのコーチングとサポート、重要なステークホルダーとの定期的な話し合い、高いパフォーマンスを発揮する文化の醸成のためにほとんどの時間を費やしている。数週間前、プロジェクトが予定よりも少し遅れた時、アプリがチームに推奨したのは、プロジェクト内の一つの流れを加速させるためにアジャイル手法を取ることだった。
会議ではチームで考えられる解決策をシミュレーションし、今後の道筋について合意する。プロジェクトプランは自動的に更新され、影響を受けるチームのメンバーとステークホルダーには、変更と期待される結果の予測を伝えるメッセージが送られる。
以前ならコントロールできなくなって失敗したかもしれない戦略的プロジェクトが、新しいテクノロジーと働き方のおかげで成功し、期待される結果を生み出せるようになった。
時をいまに戻そう。現在、プロジェクトマネジメントは必ずしも円滑に進むわけではない。だが、上記のような未来が到来するのに、おそらく10年もかからないだろう。より速やかにそこに到達するために、イノベーションに取り組む人や組織は、現段階でプロジェクトマネジメントのテクノロジーに投資する必要がある。