
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
リーダーシップは自己啓発のプロセス
あなたには、優れたリーダーに必要な資質が備わっているだろうか。
コミュニケーション力が高いことは、助けになる。そしてもちろん、計画立案、問題解決、権限委譲に長けている必要がある。また、どのような困難が起きても切り抜けられる能力も必要だ。
しかし、優れたリーダーの条件は、こうしたスキルに留まらない。時には世間離れしたような、とらえどころのない資質が必要である。卓越したリーダーには、本来何をすべきかを知っているかのような、ある種の特別な才が備わっているのだ。
これに対し、リーダーシップ論の世界的権威であるハーバード・ビジネス・スクール(HBS)教授のリンダ・ヒルは、スターリーダーは生まれつき超人的な能力を持っているわけではないという。むしろ、学習し、適応し、成長しなければならない状況に意識的に身を置くことで、他者を動機づけ、導くための粘り強さと不屈の精神を養っている傾向がある。
「リーダーシップとは、自己啓発のプロセスです。誰もリーダーを務める方法を教えてはくれません。それを学ぼうとする意欲と能力が必要です。人はほとんどのことを経験や逆境から学びます。安全だと感じる空間から一歩外に出ることが、何よりの『師』なのです」。本稿では、ヒルのいう優れたリーダーシップに最も重要な資質上位8項目と、それを培うためのアイデアを紹介しよう。
1. 自分らしさ(オーセンティシティ)
どのような役割においても、自分自身に正直であることは成功の基本である。リーダーとして、最高の自分、つまり仕事の遂行力だけでなく、周囲の人々のやる気を引き出し、鼓舞することのできる自分を体現しなければならないとヒルは言う。「コンピタンスだけでは十分ではありません。周囲があなたの人柄を信頼し、あなたと心を通わせなければ、あなたと一緒にリスクを取ろうとはしないでしょう」。この考えは、自己認識能力と深く結びついている。「自分が成功する条件は自分でつくるものであり、他人がしてくれると思い込んではいけません」