-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
AIプロジェクトの成功に
欠かせない5つのステップ
筆者がリンクトインのデータサイエンティストとして働いていた2018~2019年当時、AI(人工知能)に興味を持っていたのは、データサイエンス担当部門の中でも統計学やコンピュータサイエンスの上級学位を持つ一握りの人間だけだった。しかしいまやAIは──特に最新テクノロジーである生成AIは──企業の取締役会、経営会議、そして生産性にブーストをかけたい従業員同士のちょっとしたやり取りでも話題の中心を占めている。もはや基本的なトピックとなったため、筆者が開発に携わったMBA学生向けにAIの開発・活用・管理を教える「管理者向けデータサイエンス」コースは、現在、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の1年次の必須科目になっている。
しかし悲しいことに、野心にあふれたニュースが紙面を飾り、人々がそのポテンシャルの開花を心待ちにする裏には厳しい現実がある。大半のAIプロジェクトが失敗しているのである。いくつかの推計によると、失敗の確率は80%。これは10年前の企業ITプロジェクトの2倍に近い失敗率だ。
とはいえ成功の確率を上げる方法はある。筆者は産業界と学術界での経験とコンサルティングの仕事を通して、AIプロジェクトがプロダクトになるまでに必ず通る5つの重要なステップ──選択、開発、評価、導入、管理──を慎重にクリアすることで、企業が失敗のリスクを大幅に抑制できることを突き止めた。しかも、本稿の要点は失敗の回避だけではない。ますますAIドリブンになるビジネスの世界において、企業が競争し生き残ることに役立つプロセス、すなわち筆者の提唱する「データサイエンスとAIオペレーション」のプロセスを開発する方法も取り上げる。