キャリアの中盤で自問すべき6つのこと
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サマリー:中年期はキャリアの中間点であり、自己の成果と目標との乖離に直面するが、成長の機会でもある。モダン・エルダー・アカデミー創設者のチップ・コンリーによれば、人生前半は「蓄積」の時期であり、後半は大切なもの... もっと見るを見極めて「編集」する時期だという。本稿では、中年期にキャリアを棚卸しする際に自問すべき6つのことを紹介する。 閉じる

人生の前半は「蓄積」、後半は「編集」をする

 中年期は、キャリアの中間点と重なることが多く、自分の成果、目標、現実が一致しない時でもある。期待が満たされないという感情との格闘はよくあることで、若い頃の夢や願望の多くが、これまでそうだったように実現しないかもしれないと認識すると、気が重くなる。

 しかし、専門家によれば、この時期は成長の大きな機会でもある。優先順位を見直し、これまでの経験を活かし、将来の目標に沿った道を切り開くチャンスなのだ。

 人生の前半は「蓄積」だと、モダン・エルダー・アカデミーの創設者で、Learning to Love Midlife: 12 Reasons Why Life Gets Better with Age(未訳)の著者であるチップ・コンリーは言う。「これをやろう。あれにも挑戦しよう。友人、子ども、履歴書の項目、家に飾るものを蓄積するのです」とコンリーは述べる。「人生の後半は編集のためにあります。自分にとって本当に大切なものを見極める時です」

 この「編集」プロセスに着手することは、中年期の忙しさの中ではとてつもなく大変で、不可能にさえ思えるかもしれない。仕事、家庭、その他の義務に追われ、内省する余裕はほとんどない。しかし、キャリアを振り返り、再評価する時間と心のゆとりを見つけることは価値があると、中堅のプロフェッショナルにコーチングを提供するネクスト・レベル・キャリア・サービスの創設者、エボニー・ジョイスは言う。「自分の将来の形や方向性を描くための視点を与えてくれます」

 本稿では、コンリーとジョイスが提唱する、中年期にキャリアを棚卸しする際に自問すべき6つのことを紹介しよう。

1. やらなかった、学ばなかったことで10年後に後悔するのは何か

 後悔には否定的なイメージがあるかもしれないが、それは強力な教師にもなるとコンリーは言う。「年を取ることの利点は、周辺視野が広がり、未来が見えるようになることです。自分の行動の結果を理解できるようになります」。コンリーが勧めるのは、「予期後悔」の力を活用することだ。これは、今日、ある行動を取らなかった場合に、将来感じる失望を想像することを指す。未来の自分が感謝するような決断をするのに役立つと彼は言う。

 好奇心を維持し、新しいスキルを学び、新しい経験を受け入れることは、より長く、幸せな人生を送ることと関連しているという研究結果もある。たとえば、コンリーは中年期にサーフィンとスペイン語を学んだ。手遅れになる前に学びたいテーマ、始めたい日課、挑戦したい経験、行ってみたい場所について、いま考えよう。目標は、「目先の満足ではなく、長期的な充足に向けて決断する」ことだと彼は述べる。

2. どのように自分のパーパスを引き出すか

 親のプレッシャー、社会規範、特定の成功概念に合致したいという願望など、多くの人はキャリアの初期段階で外的要因の影響を受ける。その結果、自分の願望や関心よりも他人の期待を優先するようなキャリアの選択をしてしまうことがある。その後、配偶者や子どものために払う犠牲が、個人的な目標をさらに覆い隠してしまうかもしれない。