障害者という存在に
私たちが見出した本質的価値

 ありきたりかもしれないが、エイミーがビティ・アンド・ボウズ・コーヒーのアイデアを思いついたのはシャワーを浴びている時だった。2015年当時、下の子どもたちは6歳と11歳で、2人ともダウン症だった。この子たちが10代になり、大人になったらどうなるのだろうと夫婦でよく話し合ったものだ。

 米国では、障害者の失業率が80%に上る。それを知って、私たち夫婦は子どもたち──ビティとボウ──を失業者にはさせないと心に誓った。そのために必要なのは、シンプルなことかもしれない──あの子たちだけでなく、障害者という存在に私たちが見出した本質的な価値をそのまま伝えるだけでいいのではないかと思った。

 エイミーがシャワー中に思いついたアイデアは、故郷のノースカロライナ州ウィルミントンでコーヒーショップを開き、知的障害や発達障害を持つ人たちを中心に雇用するというものだった。そうすれば、雇用を創出すると同時に、全員で力を合わせることができる。それ以上の方法があるだろうか。