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率直なフィードバックが求められているはずだが……
この5年間に組織のパフォーマンス向上に関する書物を手にしたことがあるならば、ほぼ間違いなく、率直なフィードバック文化を醸成する利点について読んでいるはずだ。「徹底的なホンネ」(ラディカル・キャンダー)という言葉を広めたグーグルの元幹部、キム・スコットは、2017年に出版した同名の自著[注1]の中で、「不快なほど攻撃的な」フィードバックであっても、「ダメージを与える共感」(同僚に役立つ可能性のあるフィードバックを胸のうちに留めておくこと)よりはましだと主張している。
世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターの創業者で億万長者のレイ・ダリオは、著書『PRINCIPLES(プリンシプルズ[注2])』の中でもう一歩踏み込み、「徹底的な透明性」の文化について述べている。そこでは従業員たちが、会議が実際に開かれる時に公開された共有ドキュメントで互いの会議への貢献度を評価し、フィードバックを提供する。
また、ネットフリックスの共同創業者・会長兼CEOのリード・ヘイスティングスは、2020年出版の私との共著『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX[注3]』の中で、革新的な組織の3つの大きな特徴の一つとして率直なフィードバックを挙げている。ネットフリックスでよく知られているモットーは、「誰かについて何か話す時は、必ず面と向かって言う」である。従業員が他の従業員の愚痴を上司に言いにきたら、上司は「そのフィードバックを伝えた時、同僚は何と言いましたか」と答えることになっている。