営業担当者の報酬を見直す5つのステップ
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サマリー:ビジネス環境は20年前とはまったく異なっているにもかかわらず、ほとんどの企業で営業ノルマや報酬の仕組みが進化していない。少なくとも年に一度は、営業報酬を見直すべきである。特に複数のGTM(市場進出)戦術が... もっと見る実施されている場合や、営業のパフォーマンス指標が低下している場合などは、早急な見直しが必要だ。本稿では、6つのGTM戦術をベースに、営業報酬を見直す手法を解説する。 閉じる

年に一度は営業報酬を見直すべき

 営業チームの管理は容易ではない。独立独歩の個性、頻繁に起こる離職、トレーニングの難しさ、期待はずれのパイプラインなどに対処しなければならない。新しいテクノロジーが頻繁に追加され、どのツールも仕事を容易にするように設計されているものの、かえって従業員をいら立たせることが多い。筆者が毎年、あらゆる規模のB2B企業で何百人もの営業リーダーと話をする中で、共通のテーマが浮かび上がってきた。ビジネス環境は20年前とはまったく異なっているにもかかわらず、ほとんどの企業では営業ノルマや報酬の仕組みが進化していないのだ。

 どのセグメント(大企業、中堅企業、中小企業)を担当しているかによって、営業担当者のノルマやコミッションを割り当てるという、いまだに単純すぎる手法を取っている企業があまりに多い。この伝統的なアプローチでは、一部の営業担当者の報酬が過大になる一方で、過小な報酬しか得られない営業担当者が出てくる。また、次の2つの重要な要素が考慮されていない。

 どのようなGTM(go to market:市場進出)戦術を使っているか。筆者らは、6つの主要なGTM活動を特定した。インバウンド、アウトバウンド、パートナー主導の成長、イベント主導の成長、コミュニティ主導の成長、製品主導の成長だ。どの戦術を使うかによって、必要な人材は異なり、したがって報酬も異なる。

 あなたの会社はビジネスの進化のどの段階にあるか。まだアイデア創出の段階で、自社製品を必要とする市場があることを証明しようとしているのか。顧客から信頼されていて、更新する製品を持っているのか。それとも、レベニューオペレーション(RevOps)を統合した複数の製品やサービスを市場に投入しているのか。それぞれのビジネスの成熟度に応じて、ガイドラインと落とし穴がある。

 たいていのB2B企業は、どのような場合でも少なくとも年に1回は営業報酬を見直すべきだが、以下の兆候が見られる場合は、より早急な対応が必要な問題が生じている可能性がある。

・複数のGTM活動(インバウンド、アウトバウンド、製品主導の成長、パートナー主導の成長、コミュニティ主導の成長、イベント主導の成長)を行っているが、報酬プランが1つか2つしかない。