リアルタイムリーダーシップの実践を妨げる4つの障害

 リーダーとして振る舞う時、何もかもうまくいくことがある。自信にあふれ、思いやりをもって、変革をやすやすと主導する。ほかの人々は自分たちの取り組みに建設的な反応を示し、その変革が困難で複雑な場合でさえも受け入れ、成果を積み重ねていく。そして、素晴らしいことが成し遂げられるのだ。

 一方で、行き詰まってしまうこともある。何をやってもうまくいきそうにない。この違いを生むものは何か。

 筆者の一人ロバート・クインは、20年近く前に『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)に寄稿した論文の中で、最も重要なのは心理状態だと主張した。私たちはハイパフォーマンスモードにある時、通常の心理状態から抜け出し、クインが「リーダーシップの根源的状態」と呼ぶ状態に入る。そこでは、最高の自分を無意識かつ自然と表現できるようになる。慣れ親しんだ領域を思い切って飛び出し、野心的な目標を追求し、最高の価値観を体現し、他者に真の共感を示し、フィードバックや学習や適応を受け入れるのだ(「リーダーシップ:至高の瞬間[注]」を参照)。このマインドセットを「リアルタイムリーダーシップ」と呼ぶ人もいるだろう。