リーダーが戦略を日常の仕事に組み込む6つの方法
Illustration by Alanah Sarginson
サマリー:リーダーは戦略的であることを求められているが、個人の日々の習慣が戦略的な行動を妨げる場合がある。しかし、日常には思っている以上に選択肢がある。その日常の小さな決断の積み重ねによって、気づかぬうちに障害... もっと見るを克服し、より明確なビジョンと決意を持って戦略を追求することができるのだ。本稿では、リーダーが戦略を日々の実践に組み込むための6つの方法を提示している。 閉じる

日々の習慣が結果をつくる

 戦略的であること、つまり、野心や目標を追求するために首尾一貫した選択をしていくことは、ビジネスリーダーにとって欠かせないスキルである。ただし、なかなか実践できない。戦略を設計して実現することは難しいものだ。

 時には、組織的な障害が原因でうまくいかないこともある。たしかに、マイクロマネジメントは新しいことに挑戦する意欲を削ぐ。インセンティブは現状維持を促進する。コミュニケーション不足は、どこに焦点を当てればよいのか、見極めにくくする。

 しかし多くの場合、最も足かせになるのは、私たちの考え方や振る舞いだ。極端な場合では、燃え尽き症候群(バーンアウト)は決断力を阻害し、不安は視野を狭め、打ちのめされると何から始めればよいのかわからなくなる。また、自信の欠如によって目先のことに集中しがちになる。その結果、無意識に習慣に頼り、慣れていることに集中してしまう。

 しかしこれは、戦略上必要なことでも、私たち自身が望んでいることでもない。このような状況では、自分が目標に向かって前進していないことにいら立つのも無理はない。

 とは言え、このような状況は防げるはずだ。自分にとって不利な状況だと感じる時も(特に官僚的な組織では)、選択肢は思っている以上にある。一日の中でいつ集中して、何をするかという小さな決断は、些細に思えるかもしれないが、その結果は積み重なっていく。そうした小さな決断のコツを習得すれば、いつのまにか障害を乗り越え、より明確な決意を持って戦略を追求し、最終的に成功を収めることができるだろう。

 ここでは、戦略を日々の習慣に取り入れるための6つの方法を紹介する。

重要な行動を特定する

 ある戦略に対して不釣り合いなほどプラスに働く出来事や状況、活動に、さらに注目する機会は日常的にある。