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変革に成功した企業が実践する4つのアクション
トップダウン方式による達成目標主導型の変革プログラムは、たいてい長期間継続する成果を生み出せない。ベイン・アンド・カンパニーが世界の350社以上の企業を対象に行った調査によると、達成目標主導型の変革プログラムのうち、継続的な業績改善につながったものは、12件中1件の割合にすぎなかった。
この種の変革プログラムでは、野心的な目標を掲げても達成できないまま終わるケースがあまりに多い。さらにひどい場合には、書類上では目標を達成したことになっているのに、「実行済み」「実現済み」のはずの改善が収益にほとんど結びついていないことがある。
変革を目指す取り組みで、達成目標を効果的に活用することはできるが、そのためにはしかるべきマインドセットとアプローチが必要だ。筆者らが変革の成功例を調べたところ、達成目標を用いた変革プログラムで成功した企業と失敗した企業の大きな違いが見えてきた。変革に成功した企業が困難を乗り越えるのに役立ったアクションとして、以下の4つが挙げられる。
1. 達成目標に関するリーダー層のマインドセットを変える
達成目標の設定を好ましい結果につなげるためには、リーダー層が目標に対する考え方を改める必要がある。達成目標を「目指すべき到達点」と考えるのではなく、「突破すべき最低水準」と考えるべきなのだ。そうすることにより、達成目標を定めることの恩恵に浴しつつも、その弊害を最小化できる。
企業の上級幹部は、ほとんどの場合、達成目標を課されれば、それを達成するために奮闘する。しかし、どうすれば達成できるかがわかると、概してそれ以上の努力をやめてしまう。さらに業績を向上させるためにどうすべきかを考えたり、そのための労力を費やしたりしなくなるのだ。