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セールスチームがデジタル面で落ちこぼれになっていないか
いま世界中の企業がセールスの現場にデジタルテクノロジーや最先端のAI関連のアプリケーションを採用して、その恩恵に浴し始めている。そうしたテクノロジーを導入することにより、業務プロセスを合理化し、顧客体験と顧客にとってのアウトカムを充実させ、セールス部門のアジリティを向上させ、データドリブンな志向を強化し、将来の成長に向けた体制を整えることができるのだ。
しかし、デジタル活用の恩恵に浴している企業ばかりではない。筆者らは、幹部教育の場で企業のセールス部門のリーダーたちと関わる中で、自社のセールスチームがデジタル面で後れを取っているのではないかという不安と嘆きを口にする人たちを大勢目の当たりにしてきた。
そのようなリーダーたちもよく理解しているように、デジタルへの投資はさまざまな面で好ましい影響を生む。デジタル化に投資することにより、効率の悪い非デジタル型の顧客エンゲージメントのプロセスを改めたり、オンライン上で自社の存在感を強めたり、顧客のセルフサービスの選択肢を増やしたり、より質の高い情報をリアルタイムでセールス担当者に提供することにより、それまでよりもパーソナライズされた顧客コミュニケーションを可能にしたりといった具合に、さまざまな効果が期待できる。
しかも、デジタルの面で落ちこぼれになることのリスクは極めて大きい。デジタルテクノロジーの採用で他社から後れを取れば、ただ単に売上げにダメージが及ぶだけでなく、ライバル企業との競争で不利な立場に置かれかねない。自社のセールス戦略が時代遅れになり、しかも、働き手にとっても職場としての魅力が失われる恐れがあるのだ。
しかし、明るい材料もある。デジタル活用への道はお世辞にも平坦とは言いがたいが、その道をすでに歩んだ先達は大勢いる。有効な地図と戦略、ツールが確立されているのだ。過去に成功を収めた企業の経験から学ぶことにより、セールスチームは間違いなく先行者に追いつくことができる。
自社のセールスチームがデジタルの面で落ちこぼれになりつつあるのではないか──あなたがそのような不安を感じているとすれば、同様の悩みを抱えているセールスリーダーは他にもいる。筆者らの研究によれば、セールスリーダーがセールスチームのデジタルに関するケイパビリティを強化しようとする際に直面する障害は、主に3つある。
・知識の不足:どのようなツールやソリューションが利用できるのか、そうしたツールやソリューションを活用するにはどうすればよいのかがよくわかっていない。
・難しくてリスクが大きいという印象:デジタルソリューションを導入することが途方もない難事業で、莫大なコストを伴い、しかも投資のリターンがはっきりしないというイメージを持たれる。