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いかにデザイナーやエンジニアと良好な関係を築くか
テック企業で一般ユーザー向け製品を開発するプロダクトマネジャーは、極めて重要だが難しいタスクに取り組んでいる。それは、製品でどのようなビジネス上の課題を解決したいのかを特定し、製品要件を正しく定義し、デザインを最適化し、それを具現化するエンジニアにプロジェクトを引き渡すことである。プロダクトマネジャーは、各ステップにおいて、製品が顧客とビジネスの両方に利益をもたらすものになるように進めなければならない。
このプロセス全体を通して中心的な役割を果たすのが、デザイナーとエンジニアだ。両者のマネジメントとなると、綱渡りのような状況に陥るプロダクトマネジャーは少なくない。この3つの専門職を合わせて「プロダクトトリオ」と呼ぶ人もおり、集団として機能するためには、良好な協力関係を築く必要がある。本稿では、筆者自身のプロダクトマネジャーとしての経験に加え、専門家や他の現役のプロダクトマネジャーたちとの対話をもとに、この関係を管理するためのアドバイスを提供したい。
プロダクトチームの再定義
プロダクトチームは、プロダクトマネジャーだけで構成されているというのはよくある誤解で、本来は複数のプレーヤーで構成されている。プロダクトディスカバリーコーチのテレサ・トーレスは、著書Continuous Discovery Habits(未訳)の中で、それぞれの役割をこのように説明している。
1. プロダクトマネジャー:顧客ニーズとビジネス目標を整合させる戦略的思考家。
2. デザイナー:製品を楽しく直感的に使えるようにするユーザー体験の専門家。
3. ソフトウェアエンジニア:実現可能性と実現化に関する知見を持つ技術的専門家。
この主要な3者がプロダクトチームの中核を成すが、企業の規模や製品の複雑さによって、構成が異なる場合もあることを覚えておこう。企業によっては、プロダクトマネジャーがデザインを担うこともあるし、デザインとエンジニアリングの両領域にまたがって仕事をするデザインテクノロジストがいる場合もある。さらに、企業や組織によっては、大所帯のエンジニアリングチームやデザインチームを抱え、複数のデザイナーやエンジニアがプロジェクトに参加することもある。
しかし、アイデアの段階では、プロダクトマネジャーがエンジニアリングやデザインの責任者を見極めて、プロダクトトリオに加えるのが望ましい。また、製品や企業によっては、他の部門も加わる必要がある場合もある。テレサは次のように書いている。「プロダクトトリオの狙いは、他の部門をディスカバリーから排除することではなく、デジタル製品開発における部門横断的な連携の必要性を強調することである」