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休暇前の引き継ぎでしくじっていないか
数年前、筆者は職場で優先度の高いプロジェクトに配属された。ところが問題が生じた。プロジェクトが最も重要な段階に差しかかったところで、筆者自身は数カ月前から予定していた休暇に入ることに気づいたのだ。
筆者は大慌てで、すぐさまバックアップのプランを立てた。仕事をカバーしてくれる同僚を見つけ、筆者の仕事のさまざまな要素を説明するメールの下書きをした。添付ファイルや個々のタスクの詳細な指示も作成した。メッセージを送信した翌日、その同僚に直接会って、一つひとつの情報をていねいに説明した。そして休暇前の最後の出勤日には、すべてを引き継げたかどうかが不安になり、万全を期すために、さらにいくつかのメモを送りつけた。
筆者が送ったメールは、2行の短いメッセージもあれば、何ページにもわたる大量のデータもあった。まだ休暇が始まらないうちから、すでに同僚を疲労困憊(そして混乱)させてしまった。無理な期待を設定して、双方のストレスのレベルを上げていたのだ。
いまにして思えば、筆者は自分のクローンをつくろうとしていた。だが、そういうやり方をして、バックアップのプランがうまくいくはずがない。
筆者は国際的な大手電気通信企業のシニア・プロジェクトマネジャーとして(またプロジェクトマネジメント・プロフェッショナル[PMP]資格の取得者として)、たびたび世界にまたがるチームと協力して、注目を浴びるプロジェクトに取り組んできた。この職務で最も大切なのは、バックアップをしてくれる優秀な同僚を持つことで、特に時差を超えて仕事をする時はそうだ。感謝すべきことに、筆者は経験から学び、長年の間にアプローチを調整することができた。
週末に休暇をつけて少し長めに休むにしろ、2週間の休暇を取るにしろ、職場に強力なバックアップ役を持つのは賢明な手段だ。そういう人がいれば、あなたの最も重要なタスクは確実に中断なく実行され、緊急事態や想定外の事態になっても、必ず代わりに対処してもらえる。最初の「しくじり」の後、筆者には以下の秘訣が役立った。これらのヒントは、あなたが次に休暇を取る時にも、きっと役に立つだろう。
休暇の4週間前
ステップ1:前もってプランを立てる
理想的には、かなり前から休暇のプランがわかっているとよい。特に長期の休暇の場合はそうだ。最初のステップとして、休暇の日程が確認され承認されたら(4~6週間前をお勧めする)、あなたがいつ不在になるかを同僚やクライアントに知らせよう。筆者はメールの署名の一番下に、よく目立つように休暇の予定をつけ加えるようにしている。時には、それがプロジェクトの締め切りを繰り上げるのに役立つことがあり、バックアップ役は仕事をまるごと引き受けなくて済むようになる。
またこの時期に、4~5週間先までカレンダーをチェックして、やるべきことを確認し、休暇前に済ませるべきことの優先順位をつけておくとよい。肝に銘じてほしいのは、誰がバックアップ役になるにしろ、その人には自分のやるべき仕事もあるということだ。バックアップ役を務めるとは、あなたのすべての仕事を代わりにこなすということではない。バックアップ役が必要最低限のことだけをすれば済むように、あなた自身の仕事を責任を持って調整すべきである。