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表面的なやり取りを超えるための質問
従業員のウェルビーイングは深刻な状況にさらされている。ギャラップの調査では約60%の労働者がエンゲージメントに関して苦しんでいると答え、5人に1人が孤独を感じている。これはマネジャーにとってけっして小さな問題ではない。活力に欠ける従業員は生産性が低く、意欲も低く、企業の収益に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
だからこそ、チームの状況を把握して、問題が発生したら即座に対応できる準備をしておかなければならない。そのためには信頼関係を構築してコミュニケーションをオープンに保つことが必要だと、イェール大学経営大学院の講師でSovereign(未訳)の著者であるエマ・セッパラは言う。
「従業員があなたに安心と安全を感じられるようにする。あなたを信頼できない、あなたは自分たちを気にかけていないと感じていたら、あなたと心を開いて話をしようとしないでしょう」
強い信頼関係があっても、同僚が自身の役割や仕事、人間関係について本当はどのように感じているのかを、理解することは難しい。リモート環境で働いていればなおさらだ。そこで、一対一の環境で適切な質問をすることが重要になると、ノースカロライナ大学シャーロット校の教授でGlad We Met(未訳)の著者であるスティーブン・ローゲルバーグは言う。
「パンデミックの最中に私たちは、自分の成功やキャリアにとって重要な人々とのつながりや、彼らに見守られているという感覚を失い、大切な会話ができなくなりました」
自分がチームメンバーを理解していることを確かめるために、表面的なやり取りを超えた6つの質問をセッパラとローゲルバーグが提案する。
1. 今日は1から10のスケールでどのような調子ですか
「最近どうですか」といった形式的な質問の問題点は、「元気です」「順調です」といった表面的な答えになりがちなことだ。しかし、現在の自分の状態を数値で評価するように問いかけると、より慎重な自己評価を引き出せるとローゲルバーグは言う。これは、孤立や疎外感を経験しているかもしれないリモートワーカーにとって、特に重要なことだ。
たとえば、ある従業員が4と自己評価したら、「その評価につながった要因は何ですか」などフォローアップの質問をすると、内省とより深い理解への入り口になる。