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部下へのネガティブフィードバックを上達させる
ピープルリーダーが担う最も厳しい職務の一つは、パフォーマンスの問題を直属の部下に突きつけることだ。筆者が新米のマネジャーだった頃、チームメンバーに修正のフィードバックを伝えるのにどれだけ緊張したことか、いまでも覚えている。前の晩はよく眠れず、人事部に手伝ってもらい用意したメモに頼りきっていた。
筆者はCEOやピープルリーダーとしてキャリアを積む中で、多くの新米マネジャーがこの種の会話に苦労するのを見てきた。人間は誰でも人から好かれたい、どこかに属していたいという生得的な願望を持っている。何であれ対立すれば、それを脅かしかねず、初めて部下とのパフォーマンスに関する話し合いに臨むリーダーは、最も強く脅威を覚える。ネガティブフィードバックを伝えることによって、部下との関係が傷つくのを恐れるのだ。
もしあなたに身に覚えがあっても、心配する必要はない。パフォーマンスに関する話し合いは簡単なものではないが、時間をかけて場数を踏むことによって、コミュニケーションのスキルも、安心感を与えるネガティブフィードバックも上達する。と言っても、初期に陥りやすい過ちがいくつかある。あなたがそれを回避し、自分のアプローチに自信を持てるように、パフォーマンスに関する会話ですべきでないこと、そしてすべきことについて話したい。
1. 対話を先延ばしにする
パフォーマンスに関する難しい会話を避けることは、誰のためにもならない。当のチームメンバーにとっては、それで埋め合わせの機会を逃すことになれば大きな損失になる。
一般的にパフォーマンスの問題は、時間とともに改善するものではない。思慮深く対処し、解決に向けて努力しなければならない。筆者の経験では、問題が発生した時点か、できるだけ早いタイミングでネガティブフィードバックをするのが最善の策だ。小さな問題が積み重なって雪だるま式に膨らむまで、修正のフィードバックを控えてはならない。正規のパフォーマンス評価以外の場でも、対処すべきだ。
何を話すかをあらかじめ伝えておくと、そのチームメンバーを改善へと向かわせるのに役立つ。たとえば、「この前のプロジェクトの期限に間に合いませんでしたね。どのような事情があったのか、どうすれば今後そのような事態を避けられるか、今週、お話ししたいのですが」と持ちかける。そうすれば、不意打ちにならないし、両者とも事前に準備できるだろう。
2. 準備が不足している
多くの新米マネジャーは、パフォーマンスについて話し合う前に適切な準備をしていない。だが、生産的な会話のためには準備が肝心だ。ネガティブフィードバックを伝えるつもりなら、なおさらである。
まず、その従業員の任務を理解し、いつ、どのように目標を達成すべきかについてのあなたの期待もはっきりさせてから、話に入ろう。その人の強みと成長すべき領域の両方を挙げられるようにすべきだ。その従業員が水準に達していないタスク、プロジェクト、スキルがあるならば、なぜ、どこが期待を満たしていないのか、明確に説明できるようにしておく。
このように、準備は非常に大切だ。ミーティングの前に、以下について自問してみよう。
・その従業員がこの四半期に職務で何を達成することを期待しているか。
・私の期待は妥当か、またその期待を伝えてきたか。
・その人の仕事がチームの大きな目標にどう貢献するかを説明できるか。
・その人が基準に達していないと思うなら、裏づけとなる証拠があるか。
・うまくいっていないことの具体例を挙げられるか。
・どのような指導があれば、その人をもう一度軌道に乗せられるか。