自信を持つために承認欲求の罠にはまっていないか
Muriel de Seze/Getty Images
サマリー:仕事で成果を出し、周囲から承認されることで自尊心が高まる人は少なくない。しかし、周囲からの承認に頼って自尊心を高める方法は、長期的にはプラスにならない。承認によって得られるのは、つかの間の達成感にすぎ... もっと見るないからだ。そこで重要なのが、自己承認を育むことである。本稿では、困難な状況に置かれても他人の承認に依存せず、自信を保ち続けるための4つのポイントを紹介する。 閉じる

他人からの承認を求めず、自尊心を高めるために

 成果を積み重ねて周囲に認められ、成長している時、仕事は自信とウェルビーイングを高めてくれる。だが、職場は不安の温床にもなりうる。

・不明確な期待や不十分なフィードバックは、それを受けた者が自分の仕事ぶりに不透明感や不信を抱くきっかけになりうる。

・同僚との競争や比較は、劣等感をもたらす。

・ハードワークが認められず、偏見が見過ごされると、自分の貢献や価値に疑問を抱くようになる。

・リンクトインなどのSNSは、誰もが優秀だという錯覚を生み出し、自分は不適格だとか、後れを取っているという感覚を生み出す。

 こうした日常的な仕事経験によくあるダイナミクスは、自信を失わせ、周囲から承認を得たいという欲求を高める。もちろん、自分を疑ったり、周囲に認められ、貴重な人材だと思われたいと願ったりするのは健全で自然なことだ。励ましを嫌ったり、自分の努力や成果を認めてもらうことを嫌がったりする人、時には周囲を感心させたいと思わない人はいないだろう。

 だが、周囲からの承認によって自尊心を高める方法は、長期的にはプラスにならない。変わりゆく他人の評価に自尊心を結びつけても、その承認はつかの間の達成感しかもたらさない。さらに厄介なことに、周囲からの承認を求めすぎると、自分自身の判断が曇り、自分の価値観や自分らしさが犠牲になる場合がある。

 仕事で成果を出したり、昇進したりするためには、現在のポジションの評価基準や出世方法を理解していることが重要なのは間違いない。しかし、他人ではなく自分の承認を育むことも同じくらい重要になる。不安定さや周囲の意見、一時的な興奮から自分を解き放ち、自分の深い価値を見つけ、育てるのだ。